トネリコの憂鬱

つつましやかに暮らしを綴る。好きなものを語る。時々、毒も吐く。地方住みアラサーの日々。映画と漫画がないと生きられない人生。

木の下で深呼吸

 

 新緑の眩しい季節。外ではどこからともなくウグイスが鳴いていて、東南アジアから海を越えてはるばる帰ってきたツバメ達が元気よく飛んでいる。今日はからっとした晴天で、仕事の昼休憩中の散歩は相変わらず気持ちよかった。どうしてもひとりきりになりたい時があって、晴れの日の昼休憩になると人と離れたいがために狭い事務室を飛び出したくなってしまう。変わり映えのしない仕事の合間の、わずかな癒し時間。

職場の周辺はとても自然豊か。様々な木々が茂り、綺麗な水が流れ、たくさんの動植物が生息している。全然人の気配のない遊歩道の大樹の下で時々立ち止まり、若々しい緑の枝葉が風にそよぐ音に耳をすませながら、大きく深呼吸してみたりする。そうすれば、体の中に清々しい空気がたくさん入ってくるような気がしてなんだかすごく生きているのを実感する。


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 6月以降は梅雨入りしたりむせ返るような夏がやってくるから 、今のうちにたくさん歩いておかねば…!と謎の使命感に駆られている。


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  散歩の途中、あちこちでたんぽぽの綿毛を見かけた。昔からあるタイプの耳かきの先についてるふわふわしたやつにそっくりだぁ…なんて呑気なことを考えた。たんぽぽといえば、在来種の日本たんぽぽは絶滅危惧種らしい。私達がその辺で見かけるたんぽぽのほとんどが現在は西洋のものなんだとか。

青く美しい地球のどこかで今この瞬間にも、何かの種が、声もあげず誰にも知られることもなくひっそりと滅んでいるのかもしれない。もしくは、嘆きの声を上げていたとしても私達は自分たちの事で精一杯すぎて、気付けていないか。

滅んで、新しい種が生まれて。その繰り返し。人間が把握できることなんて、この広い世界全体からするとほんのちっぽけなものでしかないんだ。


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 白いつつじが見頃を迎えていて、しばらく目の潤いになってくれそう。つつじの花が咲きだすと、ミツバチやクマンバチが待ってましたとばかりに周辺をブンブン飛びだす(ミツバチもいけど特にクマンバチは可愛い、あの真っ黒でプリっとしたお尻がキュートなのだ)…きっとつつじの蜜はさぞかし美味しいんだろうな。

ふと気になって、白いつつじの花言葉を検索してみた(時々、花言葉を調べるのが好きだったりする)そんな白いつつじの花言葉は、【初恋、節度、慎み】…真っ白で柔らかそうでどこか可憐な花弁に、【初恋】という花言葉はぴったりな気がした。

 

 初恋…それを聞くと大半がつらい日々でしかなかった中学時代を思い出す(黒歴史)…でもあれが本当に恋だったのか憧れだったのか、今となってはよく分からない。元来大人しく引っ込み思案な性格の私はあの頃、学校生活において異性と気軽に楽しく言葉を交わすなんて到底無理で、初恋の相手ともそんなに会話らしい会話ができなかった。ただ、ある時同じ班になった時に「字が綺麗だね」と褒められて内心ドキドキして嬉しかったのだけはよく覚えている。とはいうものの、当時仲良くしていた友人達からのいじめが原因で中2の新学期から保健室登校になってしまった身なので(その人はいじめとは関係ない)結局告白をする勇気さえなく、そのまま何事もなしに終わってしまった。

まぁ、この歳になってみれば遠い記憶なんだけどね。