トネリコの憂鬱

つつましやかに暮らしを綴る。好きなものを語る。時々、毒も吐く。地方住みアラサーの日々。映画と漫画がないと生きられない人生。

境界知能


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 ブログに書くかどうかも迷ったけれど、この場所では自分の心を偽りたくないから気持ちを整理するためにも綴ろうと思う。
先月に心療内科で受けたWAIS−IV知能検査の結果、わたしはIQ82、境界知能領域(以下、境界知能)だということが判明した。
【境界知能】とは、知能指数(IQ)が一般より低いIQ70〜85未満に位置する人のことを指し、(ちなみにIQ69以下の人が知的障がいに分類される)健常者と知的障がい者のあいだ、いわゆるグレーゾーンの領域のことだ。境界知能に該当する人は平均よりIQが低いため、日常生活で様々な困難が伴う(知的障がいと平均的な知能の狭間であるため、障がいだとは診断されず、なかなか公的な支援にたどり着けない人が多い)のだという。

「認知機能」(記憶、言語理解、注意、知覚、推論、判断)という、人が社会生活を送るのに必要な機能が弱いのが境界知能の人の特徴らしい。


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日本人のIQ分布グラフ

 

わたしの検査結果報告書の記述によると、

 

①知覚推理(非言語的な情報をもとに推論する力、空間認知)が低い〜平均の下
②ワーキングメモリー(聞いた情報を一時的に留め、その情報を操作する力。注意力、集中力)が低い〜平均の下
③処理速度(単純な視覚情報を素早く素早く正確に処理、あるいは識別する力、短期記憶、目と手の動きを協応する力)が非常に低い〜平均の下

 

 …という感じだった(長いので要約してあります)
上記の結果を踏まえてこれまでの自分の人生を振り返ってみて、思い当たる節が多すぎた。なぜかいつも動作が鈍いこと、工夫したり一生懸命やっても要領が悪く手先が不器用で周りのスピードになかなかついていけず、あらゆる場面で誤解されて傷ついてきたこと…。

基本的な日常生活は送れても職場で働く上で直面してきた数々の困難と生きづらさの原因が、ようやく分かった気がする。
仕事をするのにとても重要なワーキングメモリーや、特に処理速度(動作性IQ)の数値が平均の下〜非常に低いだなんて…と正直、絶望した。ネットでも境界知能についてあれこれ調べてみたけれど、自分に当てはまることばかりだった。
頭が悪いのは十分自覚していたからなんとなく、覚悟はしていたつもりだったのに…それでも、いざこうして検査結果報告書を目の当たりにして、自分は生まれつき能力の低い人間だったのだと事実を突きつけられて、落ちこまないわけがなかった。
障がい者でもなく、かといって普通にもなれない。この現実を受け止めなきゃいけないし、わたしよりも大変な思いをしてる人は世の中にはたくさんいるのは分かってる…。けれどやっぱり色々と苦しい。境界知能であるのにショックを受けた一方で、もっと早く検査をしておけばよかった、という気持ちもある。

 ただ唯一救いだったのが、言語理解(語彙や知識の獲得、言語理解、言語表現)という項目だけは、平均〜平均の上だったことかな。まぁ、自分は別に言葉での表現力の才能が突出してるわけでもなく、言語表現といっても喋るのは苦手だけど、昔から書くことはちょっと好きだったのがよかったのかもしれない。書くのは、自分のペースでできるから。
 医師の話によると、ワーキングメモリーや処理速度を改善する処方薬がある(うろ憶え)らしい。飲むかどうかは個人の自由。でもその薬を飲むのは迷ってる…。一時的にでも改善できたらそりゃ嬉しいけど、元々の性質を根本から治すことはできないのだし、薬を飲み続けなきゃ効果も持続しないのかな、それってちょっと怖いな…、って思ったり。

 これから先の将来のことを考えると、どうしようもなく不安になる。周りに迷惑なんてかけたくないよ。この社会にわたしの居場所なんてあるんだろうか。