トネリコの憂鬱

つつましやかに暮らしを綴る。好きなものを語る。時々、毒も吐く。地方住みアラサーの日々。映画と漫画がないと生きられない人生。

変わらないもの


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 振り返っても、戻れない高3の夏。

なんていうのかな…?たとえ幼く不器用で空回りしてしまったとしても、その刹那でしか味わえない“好き”というのがあって。きっと、もう2度と会えないだろうとお互い分かってるのに『未来で待ってる。』って、『うん。すぐ行く、走って行く。』って。

たぶん、千昭が簡潔な言葉で語る未来の状況からして、彼が戻らなければならないのは絶望の世界だ。そんな絶望の世界で生きながら、これから真琴が残していくであろう絵画を未来の千昭が見るたびにずっと…あの高3の夏の日々のことを、真琴のことを思い出すのだと思うと泣きたくなる。

金ローで超久々に鑑賞した時かけ、自分では手に入れることのできなかったタイプの青春を謳歌する高校生たちを見て画面越しに感慨に浸り、余韻をひしひしと…ひしひしと噛み締めております…!

【変わらないもの】が流れるタイミングも最ッ高にエモすぎるし、河川敷のシーンはもはや反則級。奥寺脚本、貞本義行のキャラデザ、山本二三の美術背景、奥華子の澄んだ歌声、すべてが愛おしい(やはり私のなかで細田守の最高傑作は時かけであることは不動だ)


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 時かけ…もう何度も見返しているのに、中学生の時にどハマりして10代からもさらに遠ざかったアラサーの今のほうが、より切なさで心に沁みるんだよなぁ。