トネリコの憂鬱

つつましやかに暮らしを綴る。好きなものを語る。時々、毒も吐く。地方住みアラサーの日々。映画と漫画がないと生きられない人生。

黒い森のさくらんぼ酒ケーキ

 

 無職になってから3週間経つ。

出勤のために毎朝5:45のアラームで無理矢理叩き起こされない生活は、なんだかとても不思議な感じだ。十分に睡眠時間が取れて、カーテンの隙間から溢れる朝日でふっと目が覚める朝の、その安寧感。慌ただしくメイクをして朝ごはんを食べなくてもいい、そんな日々がいつまでも続いてくれたらいいのにな。なんて、叶わない願いに夢を馳せる。

 朝活、とばかりにここのところ温かな豆乳甘酒を飲みつつほっこりしながら、少しずつ積ん読の消化をしている。以前、滅亡映画についての記事を投稿した際に(個人的には最終的に助かるのではなく、ほんとうに滅亡する系が理想) 、コメントでsomewereborntosingthebluesさんからおすすめしていただいた【終末のフール】を今は読んでいる最中だ。小惑星が3年後に地球に衝突して、地球が滅亡すると予告された人々の物語。確実に人生が終わるとわかったとき、わたしたちは何を思い、どう過ごすのか。

作中での『明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?』、『あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なんですか?』という台詞がずっしりと重く心に響く。

 

ruiash.hatenablog.com

 

 金曜の午後、友人Rと9ヶ月ぶりくらい電話をした。

メールでも定期的に連絡はしているけれど通話越しともなると、ふたりとも積もり積もった話題が尽きずお喋りが止まらなくてこの子とはいつも長電話になってしまう。体調のこと、仕事のこと、趣味活のこと、楽しいこと、将来に対する漠然とした不安…。同世代で損得勘定ない大切な存在だからこそ、打ち明けやすい胸の内がたくさんある。来月会おうね、と約束した。


f:id:ruiash:20220404115519j:image

 

 近場のケーキ屋で【黒い森のさくらんぼ酒ケーキ】というのを買った。名前からして魅惑的だ。

もともとドイツ発祥のケーキで、調べてみたらドイツ語では【シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ(Schwarzwälder Kirschtorte)】というらしい。前々から思っていたけど、ドイツ語って響きがかっこいいよね。チョコレート風味のスポンジにたっぷりの生クリーム、薄く削られたチョコレートでデコレーションされ、そこにキルシュヴァッサーというさくらんぼのお酒を染みこませた赤ワインのような深い色のさくらんぼが飾ってある。たっぷりの生クリームというのがまずわたし好みだし、チョコレートのほろ苦さと蒸留酒の染みこんださくらんぼの甘酸っぱさが見事なアクセントになっていて、こんな大人なおいしいケーキを好きにならないわけがなかった。